「Celtic Note」 アイヴォール・ラウーを特集します

こんにちは、THE MUSIC PLANTの野崎です。だんだん寒くなってきてケルト音楽を聞くにはぴったりの季節になってきました。

今月はまず北欧のフェロー諸島から9月末に来日したアイヴォールの特集です。フェロー諸島はノルウェーとスコットランドの間くらいにある18の島からなるデンマーク領自治国。立場はグリーンランドと一緒ですね。でも文化的には北欧というよりもスコットランドやアイスランドに近いものを感じました。23才のアイヴォールはまだ若いのにキャリアはすでに10年以上というベテランです。性格もとっても良くって私も大ファンになっちゃいました。

M1:Eivor Palsdottir『Astarstund ミ moment of love』from "Eivor Palsdottir"
なんとアイヴォールが16才位の時にはじめて書いた曲だそうです。

M2:Eivor Palsdottir『Om Jag Vagar』from "Eivor"
インタナーショナルな彼女はスウェーデン語でも曲を書いているのですが、この曲も初期の名作。

そして今年の夏、彼女はドーナル・ラニーのプロデュースでアイルランドのミュージシャンたちとアルバムを制作しています。そこから3曲。
M3:Eivor『Mother Teresa』from "ヒューマンチャイルド"
M4:Eivor『Do not weep』from "ヒューマンチャイルド"
M5:Eivor『Mannabarn ミ human child』from "ヒューマンチャイルド"

第2特集はスコットランドの曲を集めてみました~。まずはスコッチ・ゲーリックの代表的なバンドということでカパーケリー。日本にも来日したことがある人気バンドです。
M6 :Capercaillie『Bonaparte』from "Secret People"

スコッチ・ゲーリックということで次はこの曲。実はバカ・ビヨンドのアルバムでは私はこれが一番好きです。バカ・ビヨンドはアフリカのリズムにケルトのメロディをのせて演奏するという非常にユニークなバンドです。同じ形態のバンドでアフロケルト・サウンドシステムがいますけど、こっちの方がオリジナルです。ケルトの哀愁いっぱいの作品。
M7 :Baka Beyond『I see winter』from "SOGO"

「泣きと笑い」のケルトの最高峰といったらスコットランドの大御所の彼ら。感動です。
M8:Aly Bain & Phil Cunningham『Spring the summer long』from "Spring the summer long"

そしてアリィとフィルよりも、うんと若い世代で期待のフィドラー、エイダン・オルーク。彼のデビュー作は壮大なコンセプトアルバムにいなっているのですが、その冒頭を飾る曲とエンディングを飾る曲。最後のソロまわしとか感動!!です。
M9 :Aidan OユRourke『Falun Fine(outbound)』from "Sirius"
M10 :Aidan OユRourke『Falun Fine(return)』from "Sirius"

12月に来日するラウーのデビュー作から3曲続けてきいてみましょう。ラウーは先程かけたエイダン、そしてクリス・ドレヴァー(ギター&ヴォーカル)、マーティン・グリーン(アコーディオン)の3人組。ものすごい演奏を聞かせてくれます。12月に来日しますが、ライヴはCDの100倍すごいです。
M11 :Lau『Jigs』from "Lightweights & Gentlemen"
M12 :Lau『Unquiet Grave』from "Lightweights & Gentlemen"
M13 :Lau『Results』from "Lightweights & Gentlemen"

そしてスコティッシュ・トラッドの名盤といえばディック・ゴッファンのこの名アルバムをぬきには語れません。涙!
M14:Dick Gaughan『Both Sides of the Tweed』from "Handful of Earth"

そして日本でも人気のあるエディ・リーダー。珍しいオーストラリアのライブ音源から。特にアカペラの「クレア」は最高ですよ。
M15 :Eddi Reader『Winter it is the past』from "St Clare's Night out"
M16:Eddi Reader『Clare』from "St Clare's Night out"

今月最後の曲はメアリー・ブラックでジミー・マッカーシーが書いた名曲を感動的に歌っています。
M17:Mary Black『Wonder Child』from "Circus"

番組タイトル:「Celtic Note」
パーソナリティ:野崎洋子
放送日時: 毎週木曜日 午前6時~午前8時、午後12時~14時、午後8時~10時
         毎週日曜日 午後12時~14時
番組宛メール: note@joqr.net

「Celtic Note」ヴェーセンについて

こんにちは、MUSIC PLANT野崎です。いよいよ北欧スウェーデンからやってくるヴェーセンのコンサートツアーを来週に控え、てんてこまいの日々が続いています。今までトリオ編成で3度来日したヴェーセンですが、今回ははじめてパーカッションを伴っての4人での来日になります。あぁ~早く来ないかなぁ~。彼らを空港に迎えに行くのが本当に楽しみです。

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ヴェーセンの面白さは、まずはなんといってもメインの楽器のニッケルハルパ。これが楽器というより機械みたいに見えるから不思議です。雑誌で「ムカデか軍艦といったルックス」と書かれたこともあります。でもスウェーデンではお札の裏に印刷されていたりする由緒ある楽器なんですよ。一番古い記録では14世紀のお城の石の壁に掘られているのが現在でも確認できます。他にも中世の教会の天使にニッケルハルパを演奏しているシーンが描かれていたりもします。(写真参照)

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この楽器、なんといっても音色がとてもユニークなんですよね。ハンガリーのハーディ・ガーディと同じ機械楽器に分類されるのですが、ヴァイオリンににた音色がして、共鳴弦が多いので教会で聴いているようなナチュラル・リバーブ感が感じられます。ニッケルハルパを聴いて、スウェーデンの空気を少しでも感じていただけたら、と思います。

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今月のCeltic Noteでも特集していますので、是非番組を聴いてください。そして気に入ったらぜひぜひコンサートにも、いらしてくださいね!

コンサートの詳細はこちら。
http://www.mplant.com/koruna/vasen/vasen2007.html

番組タイトル:「Celtic Note」
パーソナリティ:野崎洋子
放送日時: 毎週木曜日 午前6時~午前8時、午後12時~14時、午後8時~10時
         毎週日曜日 午後12時~14時
番組宛メール: note@joqr.net

「Celtic Note」 Liadanインタビューについて

THE MUSIC PLANTの野崎です。実際の放送の中では簡単にしか訳してなかったのですが、せっかくリアダンのエレインがたくさんしゃべってくれたので、全訳をつけることにしました。放送と一緒にお楽しみください!

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野崎「うーん、何から聞こうか? 今回は楽しかった?」

エレイン「とっても本当に楽しかったわ。京都とか、東京の違うエリアとか、前回と違う町が見れたし。私にとって一番思い出に残ったのは実際の京都の公演ね。15,000人のお客さんが目の前にいて、最初から一生懸命聞いてくれて手拍子してくれたこと。それは素晴らしい経験だった。もう日ざしがとても強くてものすごく暑かったんだけど、 そんな事は演奏をしているうちに忘れてしまった。アイルランドでは今はもうかなり涼しくなってきているので、天気がよかったのが追加で嬉しかった事かなぁ。本当に日本のお客さんの前で演 奏するのはとても楽しいわね。東京も良かった。オフの時間もとれたか ら、ちょっとショピングもできたし、毎日ご飯がおいしくて、ご飯が毎日楽しみだった。お寿司とか、いろんなレストランにトライしたの。日本食とか。中華。昨日はイタリアンに行ったんだけど、まぁ、それはアイルランドで食べるのとさして変わらなかったけど、あれもおいしかったわね。もう家に帰るんだけど、また来たいと思っているわ」

野崎「何か他にない?」

エレイン「もっと短めにしゃべれば良かったわね。そしたら私が話した後すぐ訳せたのにね」(と、優しくて頭の良いエレイン)

野崎「他のミュージシャンをフェスティバルで観た?」

エレイン「そうそう。タラフ・ドゥ・ハイドゥークスと出会ったわ。彼らがオフステージで演奏しているのも聞いたし、ステージも観たけど、も のすごく興味深かった。ジプシー音楽はたいして詳しくないんだけど、 ものすごくアイリッシュミュ-ジックとは違っていて、とってもパフォーマンス中心のエネルギーにあふれる音楽だった。ものすごく早くって、中毒になりそうな音楽だったわよ。それからロサンゼルスから のジェイソン・フォークナー。素晴らしいシンガーソングライター。彼とはお寿司も一緒に食べたわよ。あと日本のシンガーで南の島から来 た、名前忘れちゃったけど・・」

野崎「大工哲弘さんね」

エレイン「そうそう、大工サン。彼の歌の一つがバンドメンバーのシー レが歌う、CDにも収録されているゲーリックのシャーンノス(独 唱)シンギングのメロディにとても似ていたの。それはすごく興味深い ことだと思った。彼がステージで歌うのを聴くのはとても楽しかった し、パーティでも歌ってくれた」

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野崎「(なんとなく訳す)では曲を紹介してくれる?」

エレイン「オーケー。また長くしゃべっちゃってごめんなさい。朝の 7:30だとこんな調子なのよ。」

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野崎「バンドを結成したきっかけは?」

エレイン「結成したのはだいたい3年半くらい前。リメリックで結成したの。私たちはちょうどリムリック大学を卒業した時期で、私たちのうち何人かはアイルランドの伝統音楽のマスターコースを取ろうとしているところだった。私たちそれぞれが、それぞれの楽器のコースを取っていた。 一つの楽器にしぼらなくちゃいけなかったので、たとえばディアドラが アコーディオン、ヴァレリーとクレアがフィドル、私は歌を、シーレが ハープ、サラ・ジェーンがフルートを専門的に勉強していたの。そこでみんなで出会ってコースではもちろん、大学の外のパブのセッションとかでも一緒に行動をするようになりバンドを作ることにしたわ。そんな風に始まっていった。当初2月にバンドをやることを決意し、5月が最初のコンサートだったから、この3ケ月間はものすごく練習をしたわ。 で、ゴールウェイで最初のコンサートをやったの。それからなんとなく発展していって、いろんなところにツアーをするようになった。日本にも来たし、アメリカ、エストニア、フランス、アイルランドのいろんなところなど。とにかくどんどん楽しく良くなってきたって感じ」

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野崎「次のアルバムの予定は?」

エレイン「入れる音楽についてはもうすでにいろいろ考えているんだけ ど、1年以内くらいには出したいかなぁ。夏には仕上げたいけど、リリースするのに は9月がいいかもしれないわね。それがだいたいのプラン。今回の日本ツアーは本当に楽しかったんだけど、さっきどんな風に私たちが出会ったかというところには出てきてなかったんだけど、今回日本にも一緒に来てくれた(新メンバーでフルートの)キャサリン・クロヘシーも(CDに)参加することになると思うわ。彼女とはチーフタンズのツアーでアメリカも一緒に ツアーしたので、とても楽しみ。」

野崎「さてそろそろ最後なんだけど、何かメッセージある?」

エレイン「プランクトンの恵子さんと、洋子にありがとう。そしてプラクトンのスタッフの皆さん、そして京都のフェスティバルに招いてくれたくるりの 皆さん、本当にありがとう。くるりの皆さんは、とてもいい人たちで、素晴らしいミュージシャンで、招待してもらったことはとっても光栄に思っているわ。皆さん、とても親切で。京都の公演と、それから東京の公演に来てくれたお客さんたちにもありがとう!また日本に来たいわ。また呼んでね!」

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Celtic Noteのご感想、リクエストはnote@joqr.netまでお願いします~。

番組タイトル:「Celtic Note」
パーソナリティ:野崎洋子
放送日時: 毎週木曜日 午前6時~午前8時、午後12時~14時、午後8時~10時
         毎週日曜日 午後12時~14時
番組宛メール: note@joqr.net

「Celtic Note」 今月はLiadanのインタビューを放送します

さて、今日から10月分の放送がはじまりました、Celtic Noteの野崎です。
本当はちゃんとコーナーとか作ってみようかなーと思ったのですが、けっきょくかけたい曲を選んでみたら、特集が3本できあがりました。

番組では皆様からのリクエストなどもお待ちしております。アドレスはnote@joqr.jpですよ~。
なおメールが読ませていただいた方には、毎回MUSIC PLANTのCDをプレゼントするこ
とにしています。今回は寺尾様にポール・ブレイディの「Hawana Way」のCDシングルをお送りいたします。

(テーマ曲)Sharon Shannon『Cavan Potwholes』from "Common Ground"


特集1:もうすぐ来日ヴェーセンの魅力

ヨーロッパで一番かっこいいグループ、ヴェーセン。来日を記念して特集を組んでみました。
まー、なんというかベイシックな選曲ですが。ヴェーセンについてもっと詳しく知りたい、という方は
http://www.mplant.com/koruna/vasen.html
http://www.vasen.se/
までどうぞ!
      
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M1 :ヴェーセン『ジョセフィンズ・ワルツ』from "Trio"
M2 :ヴェーセン『30 ars Jiggen』from "Vardens Vasen"
M2 :ヴェーセン『Sold or on sale』from "Vardens Vasen"
M3 :ヴェーセン『One hour in Hungary』from "Vardens Vasen"
M4 :ヴェーセン『キャプテン・キャプシール』from "Vardens Vasen"
M5 :ヴェーセン『カール・リネウスのポロネーズ』from "Linaeus Vasen"
M6 :ヴェーセン『キップリングス・ハンドグローブ』from "Linaeus Vasen"

来日公演は11/2 船橋を初日に、東京、川越、小諸、各地にて行われます。


特集2:リアダンをゲストに迎えて

なんと成田空港へ向かう帰国のバスの中で収録しました。かなりすっちゃかめっちゃかですが、とりあえず。エレインががんばってしゃってくれています。のちほどここにもフルで対訳をのせる予定。私の英語、ひどくてすみません。なにせ早朝なんで(笑)でも、まぁ全国の英語を使って仕事をしたい人たちが「なんだ、こんなんでも大丈夫なんだ」と自信を持ってもらえるかなと思い、思いきって放送することにしました。のちほど対訳については、こちらのブログでフルに紹介したいと思っています。

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M7 :Liadan『P Stands for Paddy』from "Liadan"
M8 :Liadan『Peeler's Creek』from "Liadan"
M9 :Liadan『Brooms of the Cowdenknowes』from "Liadan"
M10 :Liadan『Jig - Behind the Haystock』from "Liadan"


特集3:男性ヴォーカル特集 
        
M11 :Paul Brady『You won't see me』from "Rubber Folk"
ラバーソウル40周年記念でつくられたフォーキーなメンツによるアルバム。その中からポール・ブレイディを選曲してみました。普段完璧主義で知られるポールですが、こういうレイドバックした感じも最高。

M12 :Cran『Staimpi』from "Black Black Black"
なんとシェル・タルミー(キンクス、フー)がプロデュースしたクランの確かセカンド・アルバム。クランは男性3人組。全員が歌います。アルバムの持つ空気感が60~70年代っぽくってかっこよい。

M13 :Jim Moray『Sweet England』from "Sweet England"
イングランドで話題のジム・マレイ。それにしてもいい曲! しかも録音時、ジムは19才とかそんな感じ。若くて才能があるって素晴らしいですね。

M14 :Kris Drever『Green Grow The Laurel』from "Black water" 
昨年の英国フォーク界の一番の話題はこの人。今、話題のグループ、ラウーでも活躍中のクリス。12月の来日が楽しみ。

M15 :The Commitments『Mustang Sally』from sound track
映画の話題に。91年のこの作品は本当に素晴らしい。アラン・パーカー。主演のアンドリュー・ストロングはなんとまだ17才。そしてギタリスト役のアウトスパンをやっているフレイムスのグレンも本当に若い! なんと最近私も知ったんですが、映画にはコアーズがちょい役で全員出演しています。アンドレアは、マネージャーのジミーの妹役で、現在の面影まったくなし。

M16 :The Frames『Revelate』from "Set List"
そのアウトスパン役グレン・ハンザードが率いるフレイムスのライブ盤より。かっこいい!!! 観客が歌う、歌う。すごい人気です。

M17 :Glen Hansard & Marketa Irglova『Falling Slowly』from "Once" sound track
グレンが主演をつとめる15年後のダブリン。「ONCE」は本当に素晴らしい映画です。ダブリンが好きな人なら街角のシーンを見ているだけで悶絶ものでしょう。11月公開のこの映画、Unique Radioでは劇場鑑賞券をプレゼントしてますので、ぜひお申し込みくださいね!

M18:Paul Brady『Island』from "Back to the Centre"
最後はミャンマーの空が少しでも明るくなるよう、この曲を選びました。 私はこの曲は井上陽水さんの「傘がない」に通じるものがあると思います。名曲です。

番組では皆様からのリクエストなどもお待ちしております。アドレスはnote@joqr.jpです。


番組タイトル:「Celtic Note」
パーソナリティ:野崎洋子
放送日時: 毎週木曜日 午前6時~午前8時、午後12時~14時、午後8時~10時
         毎週日曜日 午後12時~14時
番組宛メール: note@joqr.net

 

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