10月27日からの番組内容

毎月、月替わりのお客様をお迎えして映画に関する様々な話題やおすすめ映画をご紹介していきます。
10月は、映画のパブリシスト、細川朋子さんです。
パブリストというお仕事は、圧倒的に女性が多いのですが、隅々まで気配り、目配りが大事ですし、時にはエイヤッ!という思いっきりも必要ですよね。
色々ご苦労も多いと思いますが、達成感の大きさも魅力のひとつでしょう。
今週は、具体的なお話が聞けそうです。

「今週のおすすめ」は、日本映画「武士の一分」とイギリス=アメリカ=ドイツ=中国合作映画「上海の伯爵夫人」です。

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武士の一分

山田洋次監督による、藤沢周平時代劇映画三部作の完結編、真田広之、永瀬正敏に続く主人公は木村拓哉です。
下級武士の主人公は、妻との平穏な暮らしに満足しつつも、毒見役という仕事が嫌でたまりませんでした。
ある日、毒により失明しましたが、藩主の温情で生活は変わらないことになったのですが、妻の行動に疑惑がおきます。
それぞれの「一分」をまっとうする潔さと、夫婦愛をバランスよく描いた感動作です。
木村拓哉は庄内弁で下級武士の悲喜こもごもを好演、剣道の心得があるだけに殺陣も美しいです。妻役の檀れいも気品に満ち、その健気さに涙腺が緩みます。
今回悪役の坂東三津五郎、さすがの巧さと存在感で、少ない出番ながら作品を締めます。笹野高史は相変わらずのいい味を出していました。(今週のおすすめ 細川朋子)

監督:山田洋次 
出演:木村拓哉 檀れい 坂東三津五郎 笹野高史 桃井かおり 緒形拳
12月1日より全国ロードショー
配給:松竹
http://www.ichibun.jp/

上海の伯爵夫人

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(c)Merchant Ivory Productions/WISEPOLICY and TOHO-TOWA

1936年の上海、退廃的なムードであふれるクラブで、ロシアから亡命を余儀なくされた美しい伯爵夫人ソフィアは、家計を支えるためホステスとして働いていました。
そこでかつては“国家最後の希望”と賞賛されながら、愛する家族と視力を奪われた元外交官ジャクソンが訪れ、2人は出会います。
ジャクソンはバー“白い伯爵夫人(ホワイトカウンテス)”を上海にオープンさせ、彼女を招き入れますが、2人の関係は、決して私生活まで足を踏み入れることはありません。
一方、ジャクソンは謎めいた日本人と理想のクラブ作りに没頭、自分だけの小さな世界を築いていました。
そんなある日、突如として日本軍の上海侵攻がはじまり“白い伯爵夫人”にも火の手がのびてきます…。
「日の名残り」のカズオ・イシグロとジェイムズ・アイヴォリーが再び組んで、滅びゆくものの美を見事に描いています。
謎の日本人役の真田広之は、さらに深みと味わいが加わり、すっかり国際スター。クリストファー・ドイルのカメラが描き出す世界観のすばらしさも、見どころのひとつです。(今週のおすすめ Neri)

ベルギー=フランス=イギリス/2004年
10月28日よりBunkamura ル・シネマほか全国公開
監督:ジェイムズ・アイヴォリー
出演:レイフ・ファインズ ナターシャ・リチャードソン 真田広之
 ヴァネッサ・レッドグレイヴ
配給:ワイズポリシー、東宝東和
http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/

 

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