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リュック・ベッソン監督作「レオン」の原形とも思えるハード・ボイルド映画で、ヴェネチア国際映画祭作品賞(金獅子賞)受賞しています。
組織の会計をしていた男が資金を横領した上、情報を売っていたこともバレて、一家もろとも殺されます。生き残った少年フィルを、偶然居合わせたグロリアがいきがかり上預かる羽目になってしまます。
しかし、証拠を記した手帳を持っていたことを知った組織は、二人を執拗に追い詰めることにになります。
子供嫌いなグロリアは生意気なフィルを見捨てようとしますが、次第に母性本能が芽生え、グロリアとフィルの必死の逃避行が始まりました。
とにかく、主演のジーナ・ローランズがかっこいいです。強くてしたたかで、今までにない女性主人公の登場にわくわくしたものです。
料理なんてやったことのないグロリアが、逃避行の途中で目玉焼きを作ろうとするのですが、油もひかずにいきなり熱したフライパンに玉子を割り入れます。当然焦げてくっついてしまい、それに苛立ったグロリアは、ポーンとフライパンごとゴミ箱に捨ててしまう…このシーンでこれまでの生い立ちと母性の目ざめなどを見事に見せて、忘れられません。
金髪にサングラスとコート、これにインスパイアされた王家衛(ウォン・カーワイ)監督が、「恋する惑星」で林青霞(ブリジット・リン)の役を産み、このパロディをSUB監督が「ポストマンブルース」で展開したりと、映画史上に残るキャラクターになっています。(今週のおすすめ Neri)
グロリア(1981年 アメリカ映画)
監督・脚本: ジョン・カサベテス
出演:ジーナ・ローランズ ジョン・アダムス フィルバック・ヘンリー
DVD発売中 価格:3,990円
発売・販売:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント